資格を取ってキャリアアップしたいけれど、「宅建」「ビル管理士(ビル管)」、結局どっちが難しいの?と迷っていませんか?

どちらも国家資格であり、不動産・設備管理の現場で重宝される資格ですが、試験範囲・合格率・勉強時間などは大きく異なります。

本記事では、両資格の難易度や特徴を比較し、「自分に合った資格はどっちか?」を判断できるよう、わかりやすく解説します。

失敗しない資格選びのヒントにぜひご活用ください!

宅建とビル管理士で難易度が高いのはどっち?

宅建とビル管理士(ビル管)、難易度が高いのは宅建の方です。

受験者数や合格率、試験範囲から見ても、宅建のほうがハードルは高めです。

宅建 ビル管理士
毎年20万人以上が受験 受験者数は1万人程度
合格率は15〜17%前後とやや低め 合格率は20〜25%ほど

宅建試験は、出題範囲も広く、法律や税金、民法などの深い理解が求められます。

一方、ビル管理士は受験資格に実務経験が必要で、理系寄りの知識が中心です。

難易度を比較する際は、以下のような点が参考になります。

  • 宅建:法律系の暗記+理解力が必要。出題範囲が広い。
  • ビル管:設備や機械、理系知識が中心。実務経験が前提。
  • 宅建は誰でも受験可だが、合格は狭き門。

どちらが難しいかは、あなたの得意分野やバックグラウンドによっても変わってきます。

もし法律系に興味があり、不動産業界を目指すなら宅建。設備管理や建物保守に関心があるならビル管が向いています。

いずれにせよ、目標とするキャリアに合わせて、選ぶべき資格を見極めることが大切です。

宅建とビル管理士で合格に必要な勉強時間の目安

宅建とビル管理士(ビル管)で必要な勉強時間の目安は、それぞれ約300〜500時間、500〜700時間が一般的です。

宅建は法律や税金、民法など幅広い知識を問われますが、独学でも対策しやすく、社会人でも比較的取り組みやすい資格です。

一方、ビル管理士は出題範囲に電気・空調・給排水設備・防火管理などの技術系分野が多く、理系の基礎知識がない場合は勉強時間が長くなりがちです。

  • 宅建:300〜500時間(週10時間で約6〜12ヶ月)
  • ビル管:500〜700時間(週10時間で約1年〜1年半)
ビル管理士は受験資格として実務経験が必要です。経験者でも理系分野にブランクがあると、対策に時間がかかる場合があります。

なお、どちらも過去問中心の学習が有効です。

問題形式に慣れることで、理解も深まり、効率的に学習できます。

宅建とビル管理士の試験内容の違い

具体的に宅建とビル管理士の試験の違いについて解説していきます。

宅建の試験内容

宅建では以下の4つの分野が出題されます。合計点数は50点になります。

合格点数は毎年変わるのですが、30点〜37点と幅が大きいです。

科目 配点
宅建業法 20点
権利関係(民法) 14点
法令上の制限 8点
税・その他 8点

ビル管理士の試験内容

ビル管理士では以下の7つの分野が出題されます。合計点数は180点になります。

65%以上の正答率で合格になります。

科目 配点
建築物環境衛生行政概論 20点
建築物の構造概論 15点
建築物の環境衛生 25点
空気環境の調整 45点
給水及び排水の管理 35点
清掃 25点
ねずみ、昆虫等の防除 15点

宅建とビル管理士の受験資格

宅建(宅地建物取引士)には受験資格の制限がありません。そのため、学歴や年齢に関係なく、誰でも受験することが可能です。実際に、過去には小学生で合格した方もいるほどです。

一方、ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)試験には、少なくとも2年以上の実務経験が必要です。この実務経験の証明は、それほど複雑ではありませんが、勤務先の企業から証明書類を発行してもらう必要があります。

そのため、ビル管理士試験は宅建のように「誰でも受験できる」というわけではなく、受験には一定のハードルがあるといえるでしょう。

宅建とビル管理士の試験日はいつ?ダブル受験は可能?

宅建(宅地建物取引士)試験は、毎年10月の第3日曜日に実施されます。

これに対して、ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)試験は、例年10月の第1日曜日に行われることが多く、試験日が非常に近いのが特徴です。

このように試験日がわずか2週間ほどしか離れていないため、「宅建とビル管理士のダブル受験」はスケジュール的にも学習面でもかなりハードルが高いと言えるでしょう。

両方の資格を同時に目指す場合は、しっかりとした学習計画とスケジューリングが重要です。

宅建とビル管理士の受験料の違い

受験料についても比較しておくと、宅建の受験料は8,200円ですが、ビル管理士の受験料は17,900円と、ビル管理士のほうが約2倍以上高くなっています。

受験にかかる費用も考慮しながら、どちらを優先的に受験するか検討するのがおすすめです。

宅建 ビル管理士
毎年10月の第3日曜日が試験日 毎年10月の第1日曜日
受験料は8,200円 受験料は17,900円

宅建とビル管理士の違いとは?仕事内容をわかりやすく解説

宅建士は不動産業において、独占業務が存在します。

宅建士の独占業務

  1. 重要事項の説明
  2. 重要事項説明書への記名・押印
  3. 契約書(37条書面)への記名・押印

宅建(宅地建物取引士)は、不動産の売買や賃貸契約の際に行う重要事項の説明を担当できる国家資格です。契約前に法律や物件の情報を説明する業務は、宅建士の資格を持つ人しかできません

一方、ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)は、延べ面積3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)の建物において、空気や水の衛生環境を守るための指導・監督を行う仕事です。主にビルや施設の維持管理に関わる資格です。

どちらも不動産に関係する資格ですが、宅建は「取引」、ビル管理士は「管理」というように、業務内容は大きく異なります。

宅建とビル管理士のダブルライセンスで業務の幅が広がる!

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)は、建物の種類や管理内容によっては、賃貸契約の手続きに関わることもあります

宅建(宅地建物取引士)の資格も保有していれば、重要事項の説明を自分で行い、契約まで一貫して対応することが可能です。

このように、宅建とビル管理士のダブルライセンスを持っていることで、不動産管理から契約業務まで幅広く対応でき、業界内での活躍の場が大きく広がります。

不動産業界でキャリアアップを目指すなら、この2つの資格を組み合わせて取得するのは非常に効果的です。

宅建とビル管理士だとどちらがおすすめ?

不動産業界で働くうえで、宅建(宅地建物取引士)とビル管理士のどちらを取得すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、どちらか一つを選ぶなら「宅建」がおすすめです。

その理由は、宅建の資格保持者は不動産会社で非常に重宝され、就職や転職にも有利になるからです。重要事項の説明など、宅建士にしかできない業務もあり、業界内でのニーズが非常に高い資格です。

もちろん、宅建を取得した後にビル管理士をプラスしてダブルライセンスを目指すのも非常に効果的ですが、まずは宅建の取得を優先するのが賢明です。

宅建とビル管理士の効率的な勉強方法

宅建試験やビル管理士に合格する最も効率的な方法は、通信講座を活用することです。

その理由は、通信講座では過去の出題傾向を徹底的に分析し、重要なポイントに絞って学習できるため、無駄なく短期間で合格を目指せるからです。

特に、仕事や家事で忙しい方にとっては、時間を有効に使える通信講座は非常に大きなメリットになります。